●菓子折り
20時ごろに玄関のチャイムが鳴った。勧誘の場合が多いので最初は無視していたが、5分後くらいにまたピンポンときたので出てみると、先月くらいに越してきたであろう階下の住人の方であった。今風な若者で、遅くなってすみません、と律儀にご挨拶。私の方もこちらこそよろしくお願いしますと頭を下げた。それだけでもう十分だと思うが、デパ地下で売っているようなお菓子を頂いて恐縮してしまった。
包みを開けてみたら、かなりちゃんとしたやつで、会社を去る人が置いていくか、取引先から貰うお中元レベルである。全9世帯の集合住宅とは言え、これは結構な散財だろう。
私が今の家に越してきた時は、西友で300円くらいのフェイスタオルを用意して挨拶回りをしたが、3軒がいつも不在だった。完全に最初の挨拶のタイミングを逸したなと思った時に、結局タオルは自分の家用におろしたのだ。従って実質2000円もかかっていないことになる。
「まんが道」で見た、昭和30年代の近所への挨拶の手みやげは、石鹸3個、又はハガキ5枚程度とあった。やはり今の金額にしても300円以内ぐらいであると分かる。階下の彼は気を遣い過ぎなのか少しかわいそうだ。
いろいろ思いながら頂いたお菓子を食べた。とってもおいしい。
