にやにや日記

ゆっくりペースで更新します

●ふつう


今日は映画『歩いても歩いても』を観た。
○寿司屋の出前を受け取る際に結構長い世間話をする。玄関のドアを閉めた瞬間に「あの子、昔は相当悪かったのに人間変わったねえ」などと勝手に言い合う母と娘。
○老いた父親のやけに短いズボン丈と東京で暮らす40代の息子の長めのズボン丈
○帰省だからとわざわざ息子に駅前の店で新調されたパジャマ
○その家の母親考案の料理…天ぷらの具がその家独自という程度
○掃除はきちんとされているが、欠けた床のタイルがそのままになっている浴室
○用事がすむと先に行ってしまう父親だが、足が悪いため後から来た母親と結局は並んで歩く様子
等々、所々に家族や家庭的なものが詰まった作品だった。いちいち煩わしい親の言動とか帰省の際の空気がよく伝わってきた。
先月テレビで観た『東京家族』も落ち着いて観られる映画だったけど、その際は20代の若者のセリフが昔的で上品な言い回しが多い点が少し気になったのだ。平凡な人物が不思議ちゃんに見えてしまう。
突飛さを抑えている話だけに、そこでちょっと非現実っぽいムードになってしまったのが惜しいと思ったのである。監督が高齢なのでそのような齟齬があるのは仕方がないのかもしれない。
今日の映画の場合、何もドラマチックなことは起こらない地味なお話だった。日頃、老夫婦だけで暮らす家に独立した子供夫婦や孫が訪れた1日が細かくしつこく描かれていてよかった。ごく普通の家族の話だけど2時間弱を有効に使っているように思えた。血が繋がっていても付き合いの損得とか少し考える瞬間はあるよねとも感じた。
感情表現が特にオーバーでない映画の場合、ともすれば“アート”になったりしがちなので、こういう仕上がりになるまでに作り手の人は苦労するのだろう。
私はミーハーなので、しょっぱいものの後はすぐ甘いものが食べたくなる。近々『悪魔の手毬歌』でも観よう。
★今日の味:マルちゃん ふっくら五目釜飯/0円