にやにや日記

ゆっくりペースで更新します

●分岐


新年明けて1月ももう後半に入ってしまった。私の職場では、冬季の営業時間の短縮に伴い勤務時間も短くなるのである。
そのため、図書館に寄って帰ることが多くなった。近所で便利なので仕方がないがあまり蔵書がない。そのため館内をうろつくよりは事前にネット予約をして借りる場合が多いが、なんとなしの癖で入り口の(寄贈本ばっかり)の漫画コーナーを見てから帰る。寄贈本だけに数も少なく、長編なんかは全巻が揃ってることなどない。暇つぶしに読む人が多いのだろうなと思う。

先日同じように棚を流していると、槇村さとる氏の「Real Clothes」を発見したので、その場で1巻を読んでみた。凄くおもしろいのでびっくりした。
思えば私は中学から高校生くらいまで別冊マーガレットをよく読んでいた。連載陣の中ではくらもちふさこ氏と、この人くらいしか「書き手が大人」な作家はいなかったように思う。年長の作家でも古臭いということでは決してなく、キャラクターの個性は粒立ち、ちゃんと生活している人が考えて描いた物というイメージだった。読者の対象年齢よりも大人向けで、好みはあれども絵も凄くうまいのであった。
そして「Real Clothes」だが、衣類が好きな人間にとっては続きが気になって気になって仕方がない構成になっていて(デパートが好きな人もそうかも)、超興奮したあげく借りて帰り、一気に10巻まで読み終えてしまった。全13巻なのだが残り3冊は予約で順番を待っているところである。
製作に当たってさぞたくさん取材をしたんだろうと感心ししつつ、早く続きが読みたい。これは新刊で買ってもいいなとも思った。

私がいいと思う漫画についてのひとつとして、主人公がかわいくてもかっこよくてもいいが、子供から老人まできちんと描かれていることにある。あと色々な体型の人間が出てくることも重要。
好きな人には申し訳ないが、有名な某少女ロックマンガみたいな作品は苦手である。絵もそうだけど設定からして興味が沸かない。
そして実は「Real Clothes」が超おもしろい本だなと思う反面、何年経っても変わらない槇村作品への自分の印象にも気づく。
それは、作品の根底にある前向きさが私とは合わないかなあという点だ。安心して読めるブレの少ない作品なんだけど、カラオケで『ファイティングマン』を嬉々として歌うような私とは正反対なのであった。こちらが好感を持っていても友達になれない人…みたいな感じである。一方くらもち氏の作品も負けじの名作揃い、氏の漫画で私の心の漫画はたくさんある。その違いは劣等感の分量と言うか、アンハッピーの度合いの違いがあると思う。(暗い作品ということではない)
両氏はデビュー年も年齢もほぼ同じなのだが、書き手によって全く違う人生があると思うと興味深い。
★今日の味:セブンイレブン アメリカンドッグ/105円