●増殖

新年が近いため、今日は大量の門松を目の当たりにした。お正月にパチンコ屋の前などで見かけても、じっくり観察したことがなかったので新鮮な光景であった。だが、あまりにたくさん同じ物があると訳がわからなくなってくるのものである。
そこで私は小学生の時の漢字の書き取りを思い出した。例えば「新年」と一度だけ書くぶんには「しんねん」の意味も漢字も理解できるのだが「新年新年新年新年新年新年新年新年新年新年……」と回数を重ねると意味どころか漢字を書いているという行為すら怪しくなる。自分が一体何を書いているのかがブレてきて混乱するのだ。
門松もしかり。単体だけ見ると竹筒と松と藁で構成されているのが明らかだが、群体と化していると竹の切り口がよく分からない穴にしか見えなくなってきて、なんとなく居心地が悪いのであった。

★今日の味：ブリトー ハムチーズ/210円